「昨夜、北エリアで新種の怪異が確認された。活動時間は午前零時から三時まで。長い廊下で不気味なダンスを踊りながら、ボールを叩いている。分析によると、その怪異の能力はボールを叩く音の周波数と密接に関係しているようだ」
「現在までに十三名の被害者が出ており、上層部は『ボール叩きの怪異』と命名した」
「諸君、深夜の外出には厳重な注意を払うように」
窓の外は日が高くなっていた。
暖かい黄色い日差しがガラス窓を通り抜け、机の上に降り注ぎ、まるで砕けた金を敷き詰めたようにきらきらと輝いている。
周囲で机に向かって猛スピードで書き込む生徒たちとは異なり、隅の席に座った一人の少年は、雷に打たれたかのように呆然としていた。
「ベッドでホラースレッドを見てただけなのに、そしたら……転移した?」
脳裏に浮かぶ見知らぬ記憶と、目の前の教室の光景が重なり、江寒(ジャン・ハン)はまさか自分がこんな奇妙な出来事に遭遇するとは思いもしなかった。
この体の元の持ち主の記憶によれば、ここは地球に似たパラレルワールドで、科学や文化のレベルはほとんど変わらない。
つい最近、あの人気歌手がリリースした新曲のMVが、各プラットフォームのチャートを賑わせていた。
唯一の違いは、この世界には魑魅魍魉が跋扈し、妖魔鬼怪が暴れ回っていることだ!
「マジかよ、これからは本当に徹夜で小説を読んじゃダメだな!」
江寒の心臓は激しく高鳴り、興奮と緊張が入り混じっていた。
パチッ!
その時、一本の「チョークの切れ端」が江寒の額に命中した。
「江寒!何ぼんやりしている?!立って、迷い鬼に遭遇したらどう対処するか答えなさい」
教壇には、怒りの表情を浮かべた中年の女性教師が立っていた。
彼女は江寒の担任であり、周厳(ジョウ・イェン)という名の、まさに更年期の厳しい女性だった。
江寒の体の元の持ち主は彼女の恐ろしさをよく知っているようで、体は無意識に立ち上がっていた。
「えっと……迷い鬼は……」江寒は少し考えて答えた。「迷い鬼そのものには直接人を傷つける能力はありません。言葉で誘導し、精神を恍惚状態にさせて、深山や森へ誘い込み、他の怪異に食べさせるのです。迷い鬼に遭遇した場合は、無視してまっすぐ立ち去ればいいです」
模範回答だ。
教壇の「雌虎」の殺気が少し収まったのを見て、江寒はこっそりと安堵のため息をついた。
周厳は言った。「座りなさい、話をちゃんと聞きなさい!これは君たちの命に関わる大事なことなの!この間も、隣のクラスの李さんが迷い鬼の毒手にかかったのよ。今、学校側がわざわざ『怪異科』を開設したのは、それを物語っているでしょ?」
席に戻った江寒はまだ少し混乱していた。「へえ、この世界ってそんなに危険なのか?」
夜道を歩くと本当に幽霊にぶつかるのか?
チリリリン——
突然、チャイムが鳴った。
突然、丸々とした小太りの少年が江寒のところにやってきた。「ほら、スマホ出して、『神魔伝説』でソロマッチしようぜ」
「は?」
江寒は一瞬呆気にとられたが、すぐに相手がスマホゲームのことを言っているのだと気づいた。
この小太りの少年は元の持ち主の親友で、二人はクラスでも平凡で目立たないタイプだった。
異世界に来たばかりで、妖魔鬼怪がはびこる世界に直面しているのに、ゲームをする気分になれるわけがない。
彼は不機嫌に答えた。「あっち行け、そんな気分じゃない」
江寒に興味がないのを見て、小太りの少年は話題を変えた。「そういえば、今日は霊具の検査があるって。俺さ、ドラゴンスレイヤーの宝刀を覚醒するか、98Kを覚醒するか、どっちがいいと思う?」
「ガトリングガンを覚醒すればいいじゃん。青い火を噴くやつ、ダダダダダ~って」
江寒がツッコミを入れた後、ふと立ち止まった。「待てよ?霊具?」
「現在の情勢がますます深刻化していることを受け、天機閣と教化司が協議し、『天羅計画』が正式に発動された。君たちには、天機閣に早期に入り、予備の御霊者になるチャンスが与えられる……」
教壇で、周厳は厳粛な表情を浮かべていた。
教室は一瞬にしてざわついた。
「皆さん、次は天機閣からお越しになった三重の御重の御霊者、陳淵(チェン・ユエン)師匠を盛大な拍手でお迎えください!」
しばらくして、周厳は自ら教壇を降りた。
その時、大柄な中年男性が大股で教室に入ってきた。
彼は灰色のコートを羽織り、鷲鼻で、目は細く、鼻唇溝が深く、怒っていなくても威圧感を与えるような風貌だった。
江寒は目ざとく、相手の袖に雲に囲まれた山が刺繍されたワッペンがついていることに気づいた。
「私は陳淵、天機閣出身で、現在は三重の御霊者だ」
陳淵の自己紹介は簡潔だった。
彼は冷ややかな目で壇下の少年少女を見渡し、低い声で言った。「我々人間は生まれながらにして本命霊具を持っている。それは心の写し身であり、霊力によって導き出すことができる」
壇下の全員が食い入るように聞き入り、幼い顔には真剣さが書き綴られていた。
「よろしい」陳淵は皆の反応に満足し、言った。「次に、君たちの本命霊具の検査を行う」
そう言うと、彼は卓球のボ